New Terms & Usages 《新語・新用法紹介》

話題となっている語、いかにも今という時代を感じさせる新しい用語、馴染みの語の新しい用法をご紹介します。過度に専門的と思われるような用語はできるだけ避けたいと考えています。


No.32 "biochip"

「バイオチップ」。"gene chips"と呼ぶ人もいるようだ。今のところ(2000/10/23)、インターネットで検索してもほとんど引っかからない語。以下で簡単に紹介するように、日常的に耳にすることになりそう語である。
最新の科学技術的成果である。まずはその履歴。

Biochips, which were first popularized by Santa Clara's Affymetrix Inc. in the mid-1990s, show how high tech and biotech have worked together to translate DNA's chemical code into electronic data that can be studied and stored.

「1990年代半ばに、サンタ・クララにあるアフィメトリックス社が初めて世に出したバイオチップというものが示しているのは、ハイテクと生物工学が共同して取り組むことでDNAの化学的コードを研究と保存が可能な電子的データに置き換えたということである。」

(Tech Giants Jumping Into Biotech by Tom Abate from San Fancisco Chronicle, Monday, October 9, 2000)

バイオチップとはどんなもので、どんな役に立つのか。
… the biochips, a sliver of glass or silicon covered with bits of DNA. When a specimen of diseased tissue is dropped on a biochip, the device pinpoints the active genes, the first critical step toward diagnosis and treatment.(ibid.)

「バイオチップ、即ち、DNA片に覆われたガラスもしくはシリコンの細片。病気をもった組織の標本がバイオチップ上に落とされると、この装置(バイオチップ)は活動している遺伝子を正確に指摘する。診断と治療への最初の重要な段階である。」

病気の診断に革命的進歩をもたらす科学的技術成果のようなのである。「活動している遺伝子を正確に突き止める」という点について以下で簡単に。
人間の各々の細胞には50万ほどの遺伝子が含まれているが、

But only a few hundred to a few thousand genes are active in any given cell at any given time. The rest are dormant.(ibid.)

「しかし、ある一定の時点におけるある一定の細胞内で活動している遺伝子は数百から数千に過ぎない。その他の遺伝子は活動を休止している。」

で、どうなるかといえば、

The holy grail of medicine is to figure out which genes should be active to keep cells healthy and to detect the inappropriate gene activity that makes cells sick.(ibid.)

「医学の終に目指すところは、細胞を健康に保つにはどの遺伝子が活動していればいいのかを把握することであり、細胞を病ませる不適当な遺伝子活動を探り出すことである。」

バイオチップがこれを可能にしてくれるのである。この新技術の将来性を覗くには次のような記述が一番だ。
Front Line Strategic Management, a Foster City firm that tracks biochips, put the worldwide market for the chips and related equipment at just $145 million in 1999. This year it expects the market to be worth $527 million. In five years, it projects $4 billion in annual sales. (ibid.)

「バイオチップ(の市場性)を追跡しているFoster Cityにある会社、Front Line Strategic Management社は、1999年のバイオチップと関連装置の世界的市場規模をちょうど1億4500万ドルとした。今年、同社は市場規模を5億2700万ドル相当と予想している。同社による見積もりでは、5年後の年間売上は40億ドルである。」

最後に、革新的成果は合衆国でも始めはこんな憂き目に遭っていたという話し。アフィメトリックス社の創立者にして会長、Stephen Fodorの思い出話である。
"In the early '90s, I would go places and give presentations on this stuff and people would think I was nuts," said Affymetrix founder and Chairman Stephen Fodor (ibid.)

「90年代の初頭、私はあちらこちらに赴き、この製品について説明していました。私は頭がおかしいと思われたものです。」

(注)go places「あちらこちらに行く」


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