Internet Semi : Topics Around The World


No.42 " Israel in Shock as It Buries Mob's Victim" (By DEBORAH SONTAG from The New York Times ON THE WEB, October 14, 2000) 

「衝撃のイスラエル、暴徒による犠牲者を埋葬」。是非、No.41 " A Hope for Peace Dies With an Israeli Brother" (By Sharon Waxman, Washington Post Staff Writer from Washington Post.com, Saturday, October 14, 2000)と併せて目を通してほしい。

この"Mob's Victim"とは、パレスチナ人群集のリンチで殺されたと伝えられているイスラエル軍兵士の一人(Vadim Norzich)である。記者DEBORAH SONTAGはリンチの様子を次のように伝えている。

With a fellow reserve soldier, Yossi Avrahami, he was stabbed, stomped, beaten and burned to death at a Palestinian police station. Afterward, cheering Palestinians paraded his pummeled body down a main street.

「同僚の予備役兵Yossi Avrahamiと共に、彼(Vadim Norzich)はパレスチナのある警察署内で刺され、踏みつけられ、殴打され、焼かれ、殺された。その後、囃子立てるパレスチナ住民は彼の打ちのめされた遺体を引きずって大通りを行進した。」

a Palestinian police station : パレスチナのある町(Ramallah)の警察署
pummel→pommel「…をこぶしで打つ」 .

この出来事はイスラエル全体に何を刻印したのか。
Few Israelis could shake this image from their heads. Overnight, it made an indelible mark on the national psyche, "etched for eternity into the history of the conflict," Nahum Barnea, a columnist, wrote.

「一夜にして、この映像は国民の心に消えることのない痕跡を残した。この痕跡は『紛争の歴史の中に永遠に刻み込まれた』とコラムニストのNahum Barneaは綴った。」

it : イスラエル軍兵士の一人(Vadim Norzich)の死体が警察署の窓から放り出されている場面の映像。

その一方、記者DEBORAH SONTAGはパレスチナ住民の犠牲者についても触れている。
Muhammad was the 12-year-old shot dead by Israeli troops in a gun battle in Gaza, caught on film by a French cameraman, as the boy cowered behind his father and then slumped dead in his lap. The pictures, so unequivocally horrifying, became powerful media tools for the Palestinian assertion that the ruthless Israeli military machine was massacring its people.

「Muhammadはガザでの銃撃戦の最中、イスラエル軍に射殺された12歳の少年である。この様子はあるフランス人カメラマンによって録画された。少年は父親の陰に身をすくめていたが、やがてその膝に崩折れ息絶えた。かくもあからさまにおぞましい映像は、情け容赦ないイスラエル軍がパレスチナの住民を虐殺しようとしているというパレスチナの人々の断言にとって格好の報道上の手段となった。」

Muhammad : Muhammad al-Durrah

次のように記す記者DEBORAH SONTAGはどこか冷めているのか、それとも冷静を保とうとしているのか。頭に血が上っていないことは確かだ。
Sometimes, the Israeli-Palestinian conflict turns into a tug of war over who in this heart-wrenching conflict is most aggrieved.

「時に、イスラエルとパレスチナの争いは、この胸を締めつける争いの中で誰が最も苦しんでいるのかをめぐる綱引きと化すことがある。」

tug「強く引くこと」;tug of war「綱引き」

この出来事へのパレスチナ側の対応。
The Palestinian information minister, Yasir Abed Rabbo, said today that Yasir Arafat, the Palestinian leader, had ordered an investigation into the killings. "We will not allow atrocities," Mr. Abed Rabbo said.

「パレスチナのYasir Abed Rabbo情報省が今日語ったところによれば、パレスチナの指導者ヤセル・アラファト氏はこの殺人事件についての調査を命じた、ということだ。『我々は残虐行為を認めない。』Abed Rabbo氏は述べた。」

The New York Times紙の記者DEBORAH SONTAGが引用することを選んだVadim Norzichの兄(Michael Norzich)の言葉は次のようなものである。(Washington Post紙の記者Sharon Waxmanが引用することを選んだ言葉と比べてみるのは一興である。)
At the funeral today, Mr. Norzich's older brother, Michael, his voice broken, urged thousands of mourners to rise above their emotions. "Mothers and fathers, brothers and sisters, I beg of you, don't stoop to their level," Mr. Norzich said.

「この日の葬儀で、ノルジッチ氏の兄、マイケルさんは、声を詰まらせ、数千人の葬儀参列者に対し感情を超越するよう説いた。『母親の皆さん、父親の皆さん、兄弟姉妹たち、あなたたちに懇願します。彼らの水準にまで身を落とさないでください。』(マイケル)ノルジッチ氏は語った。」

《報道》はいわば効能十分の薬である。薬となるのも毒となるのも、報道する側の匙加減一つであることを思い知らされる。受け手としては、処方された薬の分量に間違いがないかどうか、くれぐれも自らの目で確かめる必要がある。これは受け手の義務でもある。


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