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No.26 " 'Milkshakes' Don't Serve the Racing Industry" (By Andrew Beyer : Washington Post, Friday, November 26, 1999)

「『ミルクシェーキ』は競馬産業のためにならない」という見出し。

以下の謎めいた書き出しで始まるコラム。

Charlie Harris is a New York venture capitalist and horse owner, not a professional writer, but he has accomplished something that any journalist would envy. He wrote an editorial that shook up an industry.

「Charlie Harrisはニューヨークの新規事業投資家(ベンチャ・キャピタリスト)であり馬主であって、職業的文筆家ではない。しかし、報道関係者なら誰でも羨むようなことを成し遂げた。一つの業界を揺るがす論説を書いたのである。」

  Charlie Harrisはある体験をコラムに寄稿した。自分の馬の調教師から聞かされたこんな話を明らかにしている。

Our trainer, Christophe Clement, warned us it was his understanding that some, if not all, of the other horses in the race would be running on medication administered up to four hours before a race, including 'milkshakes.'

「うちの調教師Christophe Clementが注意してくれたことだが,彼の見解によれば,全てではないにしても,うち以外の出走馬の一部は,『ミルクシェーキ』を含め,何らかの薬物をレースの四時間前までに投与された状態で恐らく走っている、ということだった。」

  administer「〈薬〉を投与する」; up to 〜「〜まで」。

  このmedication「薬物」と'Milkshakes'が関わってくる。
"Milkshaking" is a practice that involves putting a tube down a horse's nose and force-feeding him a mixture of baking soda, sugar and water. The concoction, designed to reduce the buildup of lactic acid that causes fatigue in an athlete, scandalized harness racing.

「『ミルクシェーキをやる』というのは,馬の鼻から管を送り込み、重曹、砂糖,水を混ぜたものを無理やり与えるという手口である。この混合物は、競争馬に疲労を引き起こす乳酸の蓄積を減少させることを狙ったものだが,繋駕競走の世界を汚辱にまみれさせることになった。」

  force-feed「無理に食べさせる」; harness racing「繋駕競走《馬具をつけて車(sulky)をひかせる競争》」;involve「〜を含む・意味する」。

   繋駕競走の世界では'Milkshakes'が問題になった。しかし、サラブレッドの世界では…。

The harness industry shared Bergstein's conviction that milkshakes could "affect horses' welfare, make a mockery of the sport and erode public confidence"; it started testing for evidence of milkshakes and cracked down on violators. But milkshakes never have received much attention in the thoroughbred sport -- until now.

「繋駕競走界は、ミルクシェーキは『馬の健康に悪影響を与え,このスポーツをまがい物に見せ,人々の信頼を失わせる』恐れがあるというBergsteinの信念を共有した。繋駕競走界は、ミルクシェーキの証拠探しに乗り出し,違反者には厳正な処置を取った。しかしサラブレッド競馬の世界では、ミルクシェーキはさほど注目されていない,今に至っても,である。」

"it" = "the harness industry" ;test for.....「〜を調べる」;crack down on....「〜に断固たる処置をとる」

(注) Stan Bergstein, executive vice president of the Harness Tracks of America

  驚くかもしれないが,ケンタッキー州では薬物規制が驚くほど甘いのである。

Although milkshakes are illegal in most states, Kentucky has adopted such liberal drug policies that almost anything goes in the state.

「ミルクシェーキは殆どの州で違法なのだが,ケンタッキー州は薬物に関して非常に寛容な方針をとっているため、殆どどんな薬物でもこの州では通る。」

  goの意味はおよその見当がつくはず。【例文】Anything goes here.「ここでは何をしてもよい」。

   以下は規制の甘さの一例。
It permits a horse to be treated with powerful painkillers forbidden in almost every other racing jurisdiction. Yet few outsiders realized that Kentucky also tolerated milkshakes.

「ケンタッキー州では、他のほぼ全ての競馬管区で禁止されている強力な鎮痛剤を馬に処方することが認められている。にもかかわらず、ケンタッキー州では ミルクシェーキも許容されていることを部外者で知るものは殆どいなかった。」

"It" = "Kentucky";

   Charlie Harrisが寄稿した文は'Milkshakes'の問題だけではなく、サラブレッド競馬の世界の薬物問題全般にも、世間の耳目を向ける契機となった。

The Blood-Horse's editor-in-chief, Ray Paulick, wrote that drug rules governing the 2000 Breeders' Cup at Churchill Downs should be taken away from Kentucky authorities lest the event become an international embarrassment.

「『Blood-Horse』誌の編集長 Ray Paulickは次のような書簡をしたためた。Churchill Downs競馬場で行われる西暦2,000年のBreeders' Cup競争の競争規定となる薬物規則は、この競争が国際的に複雑な問題を引き起こすことのないよう、ケンタッキー州当局者の手から取り上げるべきである、と。」

Churchill DownsはKentuckyにある競馬場。

"an international embarrassment"と不定冠詞のあることに注意。

  獣医師も、繁殖業者も、競馬場関係者も、何も有効な対策を実行せず手をこまねいていたという点では共犯者であるともいえる。
Harris broke the conspiracy of silence, but he insisted that his trainer deserves the credit.

「Harrisは共同の黙殺を暴いたのだが、その名誉(を与えられるの)に値するのは自分の調教師だと言って譲らなかった。」

  ジャーナリストのなすべき仕事であった。ジャーナリストたちは、Harrisを羨む前に自らを恥ずべきだろう。


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