『雑想雑感』 (野島明) 
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百寺巡礼

   風聞によれば五木寛之は千所千泊と百寺巡礼に挑んでいる(注1)。余生の何と穏やかな過ごし方。

   なのに私はなぜ《屠殺場(注2)巡り》なのか(そして私は氏の企てを心ひそかに《人畜無害》と呼ぶ)。私がいまだ余生に踏み込んではいないからか。

   何が違うのか。私の企てが危険な(ことによれば革命的な)企てであるという企ての質の違い。おそらくは更に重要な違い――この企てを成し遂げるのに不可欠な時間と金が残念なことに私にはないという境遇の違い。《屠殺場巡り》の淵源はこの違いこそあるかもしれないからだ。

   私がしたいのは百寺巡礼の方だ。

  

記 〇五年六月

(注1)
「作家・五木寛之さんは全国100寺を巡礼の最中です。 旅の模様は毎週テレビ放映され、順次書籍が刊行中」(「百寺巡礼倶楽部」(阪急交通社ホームページ(http://www.hankyu-travel.com/100ji/index.html)内の頁)
「一昨日は仙台、いったん東京に戻って、今日は奈良、明日は金沢といった具合で、行ったことのない場所千ヵ所を訪ねようと『千所千泊』という無謀な計画も実行中です(笑)。」(「百寺巡礼を語る【第一回】」(http://www.hankyu-travel.com/100ji/nara/kataru1.html))

(注2)
放送される以前から、様々な苦情が殺到することを覚悟している番組があるとガーディアン紙が伝えている。その番組"Slaughterhouse - the Task of Blood"は「グレーターマンチェスターのオールダムにある家族経営の屠殺場を取り上げた一回限りの記録物 [a one-off documentary that focuses on a family-run abattoir in Oldham, Greater Manchester]」である。 (BBC braced for slaughterhouse row by Tara Conlan , Guardian Unlimited, Monday June 6, 2005)


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