『雑想雑感』 (野島明) 
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夢想だにせざりき

   二十才の彼女を見ていた私(たち)は、十数年後、彼女の身体に癌が発症し、更に十数年後、五十そこそこの年齢で彼女が世を去るなどということ、夢想だにせざりき。

   かつて、彼等をきたならしいジジイどもと罵っていた私が、彼等をノータリンのガキどもと罵る日が来るなどということ、夢想だにせざりき。彼等の多くは依然として私より年長なのであるけれども。

   汚らしいジジイども、という私の判断は妥当であった。ノータリンのガキども、という判断も、残念なことに妥当である。


記 二千十一年七月

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