『雑想雑感』 (野島明) 
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*

「そうですね」

   小学六年の息子に、将来何をしたいか尋ねた。

   「そうですね、できればプロ野球選手、さもなくば公務員」
   はったおそうとして、かろうじて自分を抑えた。

   私の経営する会社の新入社員採用面接で、ある入社希望者に、近年のデフレと雇用状況の悪化についてどんな意見を持っているか尋ねた。

   「そうですね、……」
   不採用。そうですね、この一言で決まり。

   思い出す。

「宗さん、いよいよレースの山場、三十五キロ地点が近づいています。今後のレース展開なんですが、いかがでしょう」

「そうですね、……」

*

   次のようなやり取りを耳にしたのが、今回の『雑想雑感』のきっかけ。

「Kさんは結婚式の司会をすることもあるそうですけれども、そのときに敬語について気をつけているんではないのかなと想像するんですが、いかがですか」

「そうですね。……」(注1)

   もうひとつ。
「Kさんは敬語を学習する機会は家庭での会話や小学校の先生の影響が大きかったと話していましたけれども、社会人になってから学習する場というのはどんな機会がありました」

「そうですね。……」(注2)

  

記 二千十年十月

(注1)
   「敬語 こんな場合(1)なぜ、"敬語"を必要と思うのか!?」(NHKラジオ第二、2010年10月2日(土)21:40--21:55)の冒頭のやり取り。
   司会進行役はNKHK日本語センターアナウンサー岡留政嗣氏、氏の相手を務めるのはイベントなどで司会の仕事をしているというKさん(女性)。両氏の年齢は、耳で判断する限りでは、岡留氏は五十歳前後、Kさんは三十歳前後。

(注2) 「敬語 こんな場合(4)ちょっと待って、その敬語2」(NHKラジオ第二、2010年10月23日(土)21:40--21:55)の冒頭のやり取り。


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