『雑想雑感』 (野島明) 
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嗜虐しぎゃくの殺しであったのか

   トキが九羽、何ものかに殺された。

新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの訓練用順化ケージ内で、今秋に放鳥を控えていた国の特別天然記念物のトキ11羽のうち9羽が襲われて死んだ問題で、環境省は11日、トキを襲ったのはイタチ科のテンと判明したと発表した。 (注1)
   どうやらテンに襲われたらしいのだが、殺された、と報ずる記事はあっても、食べられた、と報ずる記事は見当たらない(注2)。食べもしないのになぜ殺したのか、という疑問に些少なりとも触れている記事は一つきりであった。
   テンの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫(みぐちひでお)教授によると、テンなどイタチ科の動物は凶暴で、鳥類を襲う傾向があるという。

   箕口教授は「全羽食べないのに殺し尽くしている。イタチ科の動物の鳥類に対する“ハンティング本能”が表れた行動だ」と話す。(注3)

   「全羽食べないのに殺し尽くしている。イタチ科の動物の鳥類に対する“ハンティング本能”が表れた行動だ」なる解説を私は鵜呑みにしない。

   囲い内に侵入してトキを襲ったテンは果たして一匹だけだったのか。

   或いは、一匹のテンによる 嗜虐しぎゃくの殺しであったのか。とすればテンのわざではない。人間業である。


記 二千十年三月

(注1)
トキを襲ったのはテン、まだケージの中に?(yomiuri.co.jp、2010年3月11日19時50分 読売新聞)

(注2)
確認したのは以下の記事。

トキ、暗闇飛べず次々被害か 秋の放鳥計画も白紙に(asahi.com、2010年3月11日5時28分)

トキを襲ったのはテン、まだケージの中に?(yomiuri.co.jp、2010年3月11日19時50分 読売新聞)

佐渡のトキ 9羽死ぬ 侵入の小動物が襲う(tokyo-np.co.jp、2010年3月11日 朝刊)

トキ、暗闇飛べず次々被害か 秋の放鳥計画も白紙に(asahi.com、2010年3月11日5時28分)

トキ:9羽の死 順化ケージの金網に62カ所のすき間(mainichi.jp、2010年3月11日 20時59分 更新:3月11日 21時11分)

(注3)
トキを襲ったのはテン、まだケージの中に?(yomiuri.co.jp、2010年3月11日19時50分 読売新聞)+


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