『破れかぶれ時事想論』 (野島明) 
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二〇〇五年十一月


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カトリック教会

   坊主が子供に性的虐待をしていたなんて話しを耳にしても今さら驚くわけのものではない (注1)。坊主が援助交際していた (注2)という話しではない。援助交際は通貨やら株式やら債券やら先物商品やらの売買に談合入札やら随意契約やらに比したら何恥ずべき点もない商取引の一態である。

   カトリックの高位聖職者 (注3)が配下のいたずら坊主(攻撃的幼児性愛嗜好者[predatory paedophile] (注4)である坊主)をかばい続けていたなんて話しを耳にしても、やはり、驚きはしない。

   配下の攻撃的幼児性愛嗜好者を野放しにした挙句枢機卿の地位にまで上り詰めたカトリック高位聖職者と商取引を行った挙句逮捕され氏名を公表されたエロ坊主たち。

記 〇五年十一月二十二日

(注1)
「英国で最も有名なローマカトリック系全寮制中等学校アンプルフォース・カレッジは、数十人の少年が過去三十年間に渡って性的虐待を受けていたことが発覚した後、一連の訴訟に直面している」 [Ampleforth College, the country's most celebrated Roman Catholic public school, is facing a series of lawsuits after it emerged that dozens of boys were sexually abused there over a 30-year period.] (Catholic school faces series of lawsuits over sexual abuse, by Ian Cobain, Guardian Unlimited, Saturday November 19, 2005)

更に『現代英語力標準用例集』(野島明 編集著作)、「形容詞」"catholic⇒(the) Catholic church"参照。

(注2)
女子中学生に買春の僧職逮捕−石川(ZAKZAK 2002/02/27)

エッチな僧りょ、女子中生買春で逮捕(ZAKZAK 2002/09/26)

エロ住職、女子高生買春で再逮捕−東京(ZAKZAK 2003/01/14)

罰当たり!神主が女子高校生買春で逮捕[nikkansports.com, 2004/5/26/12:08]

夜は生臭…女子高生と愛人契約のエロ坊主(ZAKZAK 2004/10/04)

出会い系利用の25歳僧侶、16歳女子高生買春逮捕(ZAKZAK 2005/09/02)

(注3)
「バジル・ヒューム枢機卿は、アンプルフォース大修道院長であった頃にもウエストミンスター大司教となった後にも、虐待の件を警察に通告することがなかった。」 [Cardinal Basil Hume failed to alert them to abuse, both while he was Abbot of Ampleforth and after he became Archbishop of Westminster.] ( Catholic school faces series of lawsuits over sexual abuse, by Ian Cobain, Guardian Unlimited, Saturday November 19, 2005)

更に『現代英語力標準用例集』(野島明 編集著作)の「固有名詞」の項"Bernard Francis Law"参照。

(注4)
Catholic school faces series of lawsuits over sexual abuse (by Ian Cobain, Guardian Unlimited, Saturday November 19, 2005)


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訓戒を垂れる高橋尚子

   ゴルフやテニスの中継番組を見なくなって久しい私も、マラソン中継だけはほぼ欠かさず見続けている。 二十日に行われた東京国際女子マラソンでの高橋尚子の優勝を心から嬉しく思った一人である。

   私はこれまで音声明瞭で滑舌のよい高橋のインタビューに好意的に耳傾けてきた。今回、月桂冠を戴いた高橋の饒舌に耐え切れなかった私はインタビュー途中でチャンネルを変えた。夢やらなんたらかんたらいつ終わるとも知れぬ訓戒はあまりにも耳障りに感じられたのである。

   途中までしか聞いておらず、録画もしていないから、高橋が垂れた訓戒の詳細をここに再現することは出来ない。今日の各紙ウエッブ版を見ても、サンスポのみが極めて断片的に再録しているに過ぎない (注1)

   古い記憶。

   昔、お昼のワイドショーで故横山やすしが自分の子育て体験をもとに得意げに教育論をぶっていた。その後、その息子が何をしでかしたやら。あんなことをしでかしていなければ、今もお茶の間で放送されるテレビドラマで大いに活躍しているであろうに。惜しいことだ。

   昔、NHKラジオの野球中継で耳にした解説者川上哲治の解説。巨人の淡口が本塁打を打った直後、「あの子は親孝行ですからねぇ」

記 〇五年十一月二十一日

(注1)
「今悩んでいる人も、小学校、中学校の子も、30代、そして中高年の皆さん方も、もう二度と来ない時間を充実した一日にしてください」(尚子お帰り!2年前の悪夢振り切り復活V、sanspo.com 2005/11/21)(http://www.sanspo.com/sports/top/sp200511/sp2005112101.html)


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「3500円だった」(「まっ、しょうがないっか」の (注2)参照)のその後
先月6日に受けた直腸がんの手術費を「3500円だった」と発言したジャーナリスト、鳥越俊太郎さん(65)が7日、コメンテーターを務めるテレビ朝日系「スーパーモーニング」に生出演し、「私の全くのミスでした」と訂正、謝罪した。 (注1)
   おいおい、訂正して謝罪してそれだけかよ、と言ってやりたい気もするが、それだけだよな。なんたって鳥越俊太郎は《ジャーナリスト》だから。

記 〇五年十一月十日

(注1)
鳥越さん「私の全くのミスでした」手術代で訂正、謝罪(ZAKZAK 2005/11/08)(http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_11/g2005110807.html)


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まっ、しょうがないっか

   「日本人の身体感覚」を語ることはしても《経済》は語らなかったが、山折哲夫は「国際日本文化研究センター所長」 (注1)だから、まっ、しょうがないっか。

   直腸癌切除手術の費用を「3500円だった」と発言し (注2)、《経済》に関しては雲上人であることを世に知らしめることになりはしたが、鳥越俊太郎は《ジャーナリスト》だから、《経済》を語れぬとしても、まっ、しょうがないっか。

   この《ジャーナリスト》に《経済》 (注3)は語るに及ばない事柄であると感覚させているのは、この《ジャーナリスト》の置かれている境遇である。自分の境遇を疑った上で自分の拠って立つ地点から見えるものには限りがあると自覚し、見えていないもののさまを語ることには危うさがつきまとうと覚悟することは、数百年前にあらゆるものを疑った上で第一原理を見出すことに比肩しうるほどの難事であろうかとも思われる。

記 〇五年十一月六日

(注1)
『(続)折々のコラム』「《非特権的視点》、(注1)」参照。

(注2)
「直腸がんにかかったことを公表し、切除手術をうけたジャーナリストの鳥越俊太郎氏(65、写真)が4日朝、テレビ朝日系の情報番組「スーパーモーニング」に生出演した際、一般的に数十万円かかる手術費について「3500円だった」と勘違い発言。同局に問い合わせや苦情の電話が殺到する騒ぎになっていたことがわかった。」(鳥越氏「手術費3500円」の波紋…闘病ドラマ台無し 、ZAKZAK 2005/11/04)(http://www.zakzak.co.jp/top/2005_11/t2005110419.html)

(注3)
《経済》については、 『(続)折々のコラム』「19.《非特権的視点》」参照。


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魚類を気遣う

   私が魚類に向けてきた眼差しと犀やチーターといった稀少動物に向けてきた眼差しとは、著しい対照をなしていたことを私は認める。

   魚類は「一般の環境保護主義者をやたら感傷的にする毛皮も感情を訴えかけてくる眼もその他の特性も持ち合わせていない」 (注1)と思いなしていたからかもしれないし、何よりも、私が彼らを食糧(モノ)と見なすだけであったからかもしれない。

   が、人の考えは一定不変ではない。私はすでに次のような断章を書いた。

「まぁ、何てきがいい」
(水槽からまな板に移され、跳ね回る鯵に)

「まぁ、何て生きがいい」
(頭部をビニル袋ですっぽり覆われ、全身でもがき呻く牛に)

   果たして私の考えはどこまで変わってゆくのか。魚が苦痛を感じることを認めようとしている私はついには「苦痛を感じる全ての存在は人権を付与されるに値する」 (注2)という段階にまで足を踏み入れることになるのか。

記 〇五年十一月二日(水)

(注1)
「魚類を気遣うことを始める必要がある。ある種の動物相をめぐり一般の環境保護主義者をやたら感傷的にする毛皮も感情を訴えかけてくる眼もその他の特性も魚類は持ち合わせていないとあっては容易なことではないが。」
[We need to start caring about fish, not easy when they lack fur, soulful eyes and other attributes that make amateur greens go gooey about selected fauna.] (We need to start caring about fish, or there won't be any left to eat by Max Hastings, Guardian Unlimited, Monday October 31, 2005)

(注2)
All beings that feel pain deserve human rights(by Richard Ryder, Guardian Unlimited, Saturday August 6, 2005)


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