『破れかぶれ時事想論』 (野島明) 
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二千十年六月

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見出しは《彼等》の匙加減一つ

   見出しは新聞記事の肝心要かんじんかなめであるから、担当者はない知恵を振り絞って見出しを決める。 6月28日のyomiuri.co.jpの見出し、菅内閣の支持率50%に続落…読売継続調査 (注1)は、ふむ、参議院選挙を間近にして民主党は厳しい状況におかれているのか、と思わせる。

   記事を読んでみる。

参院比例選の投票先は、民主31%(前回30%)、自民15%(同14%)、みんなの党6%(同4%)などの順に多かった。(注1)
   民主党は微増である(誤差の範囲だ)。
政党支持率は、民主37%(同35%)、自民17%(同15%)などで、無党派層は31%(同37%)に減った。(注1)
   やはり、民主党は微増である。

   あの人この人このことあのことをおもんばかって見出しを決めている《彼等》は、恐らく、菅内閣の支持率50%に続落、民主党支持率微増 を決して見出しにはすまいと堅く心に誓っているのである。あたかも、選挙結果など俺たちのさじ加減一つだ、と言わんばかりに。

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   朝日新聞社が26、27の両日実施した全国世論調査(電話)によると、

   菅内閣の支持率は48%で前回(19、20日)の50%からやや下がった。不支持率は29%(前回27%)だった。

   参院比例区の投票先で民主は39%(前回36%)とやや回復、自民は15%(同17%)にやや下がった。政党支持率は民主が37%(同32%)、自民は14%(同13%)などだった。 (注2)

   記事の見出しは、「消費税が最大争点」19% 参院選、朝日新聞世論調査 となる。《彼等》にとって、菅内閣支持率微減、民主党支持率回復 などという見出しは以てのほかなのである。

   ましてや、例え次のような結果が出たにせよ、

   ◆民主党と自民党を全体として比べてみた場合、どちらの政党が改革に熱心だと思いますか。民主党ですか。自民党ですか。

   民主党  65

   自民党  15(注2)

   改革の期待、圧倒的に民主党に集まる という見出しなど、《彼等》にとっては悪夢の中で目にするものに等しく、然様さような見出しの記事を掲載した日には、しばらくの間、夜はうなされ、昼はといえば、村の中で冷たい視線を浴びせられ続けることになろう。

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   政党支持率は民主33%(前回34%)▽自民13%(13%)▽みんな5%(5%)▽公明5%(4%)▽共産3%(2%)▽社民2%(3%)−−などで、投票先と同様、大きな変化はなかった。 (注3)
   という結果が出ようと、
   毎日新聞は27、28日、参院選(7月11日投開票)が24日に公示されたのを受け全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は52%で、組閣直後の前回調査(6月8、9日)の66%から1カ月もたたず14ポイントの急落となった。 (注3)
   という結果も出た以上、見出しは各党支持率に大きな変化なし ではなく菅内閣支持率52% 1カ月たたず急落 となるのは《彼等》にとっては、必然なのである。

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   米軍の日本駐留を定めた日米安保条約については「平和友好条約に改めるべきだ」が55%と半数を超え、「破棄すべきだ」との回答も14%あった。「維持すべきだ」は7%しかなく、日米同盟自体に反感が強いことを示した。 (注4)
   《彼等》の作る見出しは、毎日世論調査:辺野古移設に反対84% 沖縄県民対象 (注5)である。「安保条約維持すべき」はたった7% という見出しなどこれもまた以ての外である。

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   《彼等》には、米軍の日本駐留を定めた日米安保条約支持率の全国調査など、恐ろしくて出来ないであろう。

   《彼等》は一体誰のことを第一におもんばかって報道ごっこをしているのか。

   日本国民、日本国のことを第一に慮っているのではないことは確かだ。

  

記 二千十年六月

(注1)
読売新聞社が25〜27日に実施した参院選の第3回継続全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は50%となり、前回継続調査(18〜20日実施)の55%から5ポイント下がった。
菅内閣の支持率50%に続落…読売継続調査、yomiuri.co.jp、2010年6月28日01時26分 読売新聞)

(注2)
「消費税が最大争点」19% 参院選、朝日新聞世論調査(asahi.com、2010年6月27日22時46分)

(注3)
毎日新聞世論調査:菅内閣支持率52% 1カ月たたず急落 (mainichi.jp, 2010年6月28日 21時26分 更新:6月28日 23時34分)

(注4)
毎日世論調査:辺野古移設に反対84% 沖縄県民対象 (mainichi.jp, 2010年5月30日 19時39分 更新:5月30日 20時1分)

(注5)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を同県名護市辺野古周辺に移設する日米合意を受け、毎日新聞と琉球新報は28〜30日、沖縄県民を対象に合同世論調査を実施した。辺野古移設に「反対」との回答が84%に達し、「賛成」はわずか6%だった。鳩山内閣の支持率は8%と1ケタにとどまり、「最低でも県外」「地元合意を得ての5月末決着」の約束を破る形になった鳩山由紀夫首相への不信感が沖縄県民に広がっていることを示した。
毎日世論調査:辺野古移設に反対84% 沖縄県民対象 、mainichi.jp, 2010年5月30日 19時39分 更新:5月30日 20時1分)


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