『TVドラマ寸評』 (野島明) 
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その二の(1)(2005年7月〜9月のドラマ)

正念場の第一回

女王の教室』(主演:天海祐希)(日テレ)

期待できる。私は学校モノは嫌いで、『キンパチ……』などみたこともない(『GTO』も『ヤンクミ』も見た)。


いま、会いにゆきます』(主演:ミムラ)(TBS)

途中で視聴放棄したいという気持ちを抑えながらかろうじて見終えた。 好きな顔と好みではない顔があるように、好きではない筋立てや台詞があるように、見ていて心地よいと感じられる人間関係と不快と感じられる人間関係がある。このドラマの子供が、子供の言動が、子供と父親との関係の粘着性が、私には見ていて心地よくない。

好みによる評価がいけないわけはない。身銭を切って買った本でも、こりゃだめだ、あるいは、つまらない、と思ったらその時点で読むのを止める。筆者が間抜けであるか否かを判断するには実際には一頁も読めば足りる。私には二千円も払って映画を見にはいけないわけだ。
ミムラのせいではない。

初回で視聴終了第一号


スローダンス』(主演:妻夫木聡、深津絵里)(フジ)

どうしてこんな脚本が通るかねぇ。なんともかんとも三十女、深津(ひいきの俳優だ)でなければ途中で見るのをやめていた。無理だ、いくらなんでもこの筋立ての進行は。

妻夫木、魅力ない。少々顔がいいだけでは俳優として大成できないくらいのこと、言うまでもあるまい。類する俳優、見かけはいいが見事な大根俳優である金城武も魅力(見るものを惹きつける力のこと)を欠く。数多の女たち(そして男たち)の心をとらえるのはスターの輝きであっていけ面ではない。

大根俳優が主役を張ってもちろん構わない。柴田恭平を小林稔侍を見よ。ただし、彼らにはそれなりの魅力がある。彼らが第一線で活躍している理由である。

いい男であるだけでも足りず、演技がうまいだけでも足りず。

初回で視聴終了第二号


海猿』(主演:伊藤英明)(フジ)

二回目を見てから初回を見るということになった。モテモテの色男という印象しかなかった(ワイドショーの影響だ)伊藤英明は予想以上によかった。


がんばっていきまっしょい』(主演:鈴木杏)(フジ)

がんばっている鈴木杏。しかし、いかにも中途半端なその顔。子供の愛くるしさは消え、大人の女のかぐわしさにはまだまだ距離がある。 秀作ドラマ『青い鳥』(TBS)で夏川結衣の可愛らしい小学生の娘役を演じているのを見て以来だ。夏川結衣、ああ、夏川結衣。

鈴木杏、がんばっていきまっしょい。


刑事部屋』(主演:柴田恭平)(テレ朝)

大根俳優柴田恭平を嫌いではないが、寺尾聡を主演にすべきであるなぁ。


大人の夏休み』(主演:寺島しのぶ)(日テレ)

寺島しのぶ、華のあること。圧倒的にいい。主役に抜擢されたことにあらためて納得。

三冬役もよかった。『剣客商売』(藤田まこと主演)(フジ)で藤田まこと演ずる秋山小兵衛の息子大治郎の妻の役である。 

この華の穢れたところを見たい、と誰しも思うのであろう。


女系家族』(主演:米倉涼子)(TBS)

初回拡大版。《女優(注1)陣》の華やかさは見ているだけ楽しい。とりあえずそれだけ。
常々気にかかっていること。米倉涼子に足りないもの――松島奈々子の声である。


電車男』(主演:伊藤美咲)(フジ)

『女系家族』と時間帯が重なったため、やむを得ず断念。


ドラゴン桜』(主演:安部寛)(TBS)

後半部が録画されていなかった(野球中継延長のせいで放送開始時間がずれたせいだ)。

長谷川京子に見るべき進歩(魅力の増大のこと)はない。(それにしても人に見てもらって何ぼという仕事の因果なことよ。どこの誰とも知れぬ馬の骨たる私にまで言いたいことを言われるのである)

いつの間にか安部寛は主演俳優となった。納得できる。


幸せになりたい』(主演:深田恭子、松下由樹)(TBS)

深田恭子は可愛い(注2)し、松下由樹はひいきの俳優だから合格。


(記 2005年7月)


(注1)
男優女優の区別が死活的重要性をもつのはアダルトビデオの世界だけであるかとも思っていたが、こんな場合にも《女優》という呼称は有用である。
更に『(続)折々のコラム』(「女優、女流詩人、女流棋士、女流知事」)参照。

(注2)
ただし私見では、深田恭子は《男》である。結婚をしてもいいと思っているかもしれないが、《奥さん》、はなりたい対象ではなく欲しい対象であり、自分は《主人》であるという結婚生活がその望みであろうから。かくして《女優》という呼称はここでも(ここでは)不適切である。


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