『TVドラマ寸評』 (野島明) 
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その十の(1)(2007年7月〜9月のドラマ)

(初回〜第二回)


新マチべン〜大人の出番』(主演:渡哲也)(NHK総合)

前作(『TVドラマ寸評』その四の(1)参照)の出来がまずまずだったこともあり、期待した。が、全くの期待外れ。 先まで透けて見える展開にはあきれるほかなかった。

初回(おまけに第二回も)、冒頭部を見ただけで放棄したくなりはしたが、中間部を早送りして最後の部分を一応確認した。予想通りだった。見るまでもなかった。

第二回で視聴終了


花ざかりの男たちへ』(主演:掘北真希)(フジ系)

初回はどうにかこうにか見終えた。が、第二回を見始めて数分、これ以上はご勘弁願いたいということで、視聴終了。

ま、ご勝手にお続けください。

第二回冒頭で視聴終了


牛に願いを』(主演:玉山鉄二)(フジ系)

初回、玉山鉄二のカッコマン振りには辟易させられ、許して、と叫びたくなる寸前、末尾の牛の出産場面での玉山のカッコよ過ぎる奮闘は、足を洗おうとしていた私をかろうじて引き止めた。

お手並み拝見ということで視聴継続。


探偵学園Q』(主演:神木隆之介)(日テレ系)

《子供に語らせる》ことの深甚な不適切を弁えないという未熟(子供の出演者を除く製作関係者全員)には愕然とするほかない。子供を卒業することがそのまま幼稚を卒業することではないことの動かぬ証拠がここに一つ。

初回で視聴終了第一号


女刑事みずき』(主演:浅野ゆう子)(テレ朝系)

ほんの少々覗いてみた。主役が《語って》いたねぇ。あきれた。

暇があっても見ない。暇はないからもちろん見ない。

結果的に、ほとんど無視


地獄の沙汰もヨメ次第』(主演:江角マキコ)(TBS系)

初回、いらいらしながら見終えた。

この余りにもわざとらしい展開に果たして私はどこまで耐えられるか。

我慢はしたものの、第二回の前半で視聴終了

《退屈な題材などない(退屈な作家がいるだけである、と続くようだ)》という言説を耳にしたこともあるから、このドラマの場合、私が見放したのは退屈な脚本家やら演出家であるということになろう。


肩ごしの恋人』(主演:米倉涼子)(TBS系)

その美貌の崩れを何とか押し止(とど)めるのに不可欠な金も暇もない市井のもはや若くはない独身女の《悲惨》を描こうというのなら「経済」の問題にどの程度踏み込めるかが試金石となる。どう見てもその職種と役職には不釣合いな住居と金の使いっぷり。

高岡早紀、何時の間にやらかような《怪演》をこなす俳優となっていた。楽しい驚きである。

視聴継続。


山おんな壁おんな』(主演:伊東美咲)(フジ系)

伊東美咲の新境地に遭遇することになった。しかも、喜ばしい限りの新境地。

代わり映えのしない演技ではあるが、深田恭子もいいねぇ(それにしてもあの胸、作り物ではないのであろうか、という真剣な男の好奇心。ひょっとしたら本物なのであろうか)。楽しいドラマ(最高の褒め言葉)。

拾い物になるかもしれない。


山田太郎ものがたり』(主演:二宮和也)(TBS系)

貧乏振りに無理がある。貧窮(あるいは想像力)などとは無縁の人たちが寄ってたかって作ったのであろうな。貧乏の嘘っぽさには閉口させられているが、今後の展開には興味がわく。

結局、貧乏の表現の見るに耐えぬほどの貧困に閉口。

第二回途中で視聴終了


パパとムスメの7日間』(主演:舘ひろし)(TBS系)

録画の不手際で冒頭部と末尾しか見ていない。

第二回を見た限りでは、見続けられそうだ。期待の新垣結衣(注1)


ファースト・キス』(主演:井上真央)(フジ系)

まず、井上真央、どうにも私の好みではない。第二に、井上真央演ずる主人公、やはり私の好みではない。

初回で視聴終了第二号


警視庁捜査ファイルさくら署の女たち』(主演:高島玲子)(テレ朝系)

初回は拡大版らしく、六十分以上続いたが、十五分に収められるところ。

相当部分を早送りしながら最終回まで見終えた。

初回で視聴終了第三号


ホタルノヒカリ』(主演:綾瀬はるか)(日テレ系)

録画の不手際で初回は見逃し。

第二回を見た限りでは、見続けられそう。なんたって、綾瀬はるかは私のお気に入りの一人だ。


陽炎の辻〜居眠り磐音・江戸双紙』(主演:山本耕史)(NHK総合)

初回で、物語の展開に停滞を感じさせることなしに、主人公が今の境遇に至るまでの経緯(いきさつ)を描くのは並大抵のことではないはずだが、無難に処理されていた。見事に、と言ってもいい。

上々の出来。


菊次郎とさき』(主演:陣内孝則)(テレ朝系)

見る気にならず。無視


女帝』(主演:加藤ローサ)(テレ朝系)

役者魂!』(フジ系)での橘里奈役、『特急田中3号』(TBS系)での渋谷琴音役、何れも好演であったので期待はしていた。

惜しむらくは、主役を与えられるや、その力量不足(未熟)が露呈した。主演俳優の演技がお粗末ではドラマがまともに成立しようはずもない。こけるのは必至、というより、既にこけていると言うべきである。

主演第一作がこけると前途多難なのである(小西真奈美の、遡っては水野美紀の、はたまた原沙知絵の例を見よ)(注2)。一筋の明かりを見出そうとしたら、伊東美咲の例であろうか(注3)

美形女優の場合、致命傷となるのは、経験や訓練の不足より資質の不足である。

男優には数十年を費やして演技を磨く道が残されているが、美形女優にその贅沢は許されない。資質に足りないところのある美形女優が時間を費やして熟すころ、その花は枯れていよう。

一応見続けはしてみるけれども……。


素浪人・月影兵庫』(主演:松方弘樹)(テレ朝系)

余りのお粗末さに開いた口がふさがらず。脚本の出来の悪さ、あの『新・桃太郎侍(注4)さえ顔色を失うほどであった。

第二回も一応見ようかと見始めはしたものの冒頭の数分(七八分であろうか)で視聴放棄

この時間枠のテレ朝時代劇の掉尾を飾るはずのこのドラマ、豈図らんや、飾るどころか汚す羽目になっている。

第二回冒頭で視聴終了


受験の神様』(主演:山口達也)(日テレ系)

俳優について初めて抱く感想――主演の山口達也という俳優の退屈さ。下手、未熟、様になっていない、役柄に合わず、等々の感想を抱くことは格別珍しいことではないが、退屈、という感想は、今回が初めてかもしれない。

成海璃子の演技には相当の生硬さを感じるが、彼女に与えられている役柄を考えると致し方なし、と言えないこともない。

それにしても月謝の話のまるで出ない家庭教師なんて。その浮世離れっぷり、いい加減にしてくれ。早送りされてしかるべき無駄な場面の多さ。

初回(途中)で視聴終了第四号。 


刺客請負人』(主演:村上弘明)(テレビ東京系)

初回の拡大版はまずまずの仕上がり。普通に楽しめる時代劇になるかもしれない。 


今期、特に触れるべきシリーズものはなかった




(記 2007年9月)


(注1)
新垣結衣には、『マイ・ボス マイ・ヒーロー』(主演:長瀬智也)(日テレ系) (『TVドラマ寸評』その六の(2)参照)でも一言だけ触れておいた。

(注2)
小西真奈美については『TVドラマ寸評』その八の(1)(2007年1月〜3月のドラマ) きらきら研修医』(主演:小西真奈美)(TBS系)評参照。
水野美紀については「折々のコラム 6.輝くために必要なもの―水野美紀の場合」参照。
原沙知絵については『TVドラマ寸評』二時間ドラマ評 その一 『蓮丈那智フィールドファイルT・凶笑面』参照。

(注3)
危険なアネキ』(フジ系)(『TVドラマ寸評』その三の(1)(2005年10月〜12月のドラマ) を私は第二回途中で見放した。初主演作は駄作であったが、伊東美咲は主演俳優として生き残っている。

出演作を選べ、と言いたくもなるが(高嶋政宏は『『新・桃太郎侍』の主役を固辞すべきであった。(注4)参照)、加藤ローサも小西真奈美も当時の水野美紀も、本木雅弘のように出演作を選ぶなどという贅沢の許される身分ではない(なかった)という難題を抱えている(いた)という事情を斟酌してやらねばなるまい(本木雅弘については 『TVドラマ寸評』その三の(1)(2005年10月〜12月のドラマ)の『今夜ひとりのベッドで』評参照)。

(注4)
『TVドラマ寸評』その六の(1)及び『TVドラマ寸評』その六の(2)の『『新・桃太郎侍』評参照。


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