『TVドラマ寸評』 (野島明) 
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その九の(2)(2007年4月〜6月のドラマ)

総括

風林火山』(主演:内野聖陽)(NHK総合、第一回は一月七日)について一言

登場した当座は格別の印象を受けたわけではなかった由布姫役の柴本幸、内野聖陽相手に堂々の演技である。演ずるという仕事に天稟の役割の大なること、いまさらながら思い知らされている。新人女優であることを聞くばなおのことである。 俳優の発見

どこかで伊東美咲のことを想っていた。『めぞん一刻』(主演:伊東美咲)(テレ朝系、五月十二日放送)を楽しく見た。脚本は主演の伊東美咲用に特別の配慮がなされていると推測して間違いあるまい。主役の台詞は極力少なく単純なものに、という趣旨の下に、である。( 『TVドラマ寸評』その四の(1)参照)。


病院のチカラ〜星空ホスピタル』(主演:菊川怜)(NHK総合)

テレビや映画の演劇とはつくづく不思議な世界だ。経験、力量ともはるかに優る俳優が脇役を務めるなど、誰が格別不思議に思うでもないほど在り来たりのことなのである。他の分野であれば、力量不足の新人選手が四番に座り、未だ髷も結えない新弟子が横綱大関を張るなど到底あり得ないことであろうに。

それだけに責任重大だ。NHKドラマ制作関係者の覚え格別にめでたいかに思われる菊川怜(注1)には、頑張るだけではなく、先輩諸俳優を脇役に追いやって主役を演ずるだけの資格あることを示してほしい。

出だしは悪くない。が、あんな美形の女医はいるのかね、などという言いがかりはともかく、菊川怜には思わず「頑張ってるな」と励ましの言葉をかけたくなる。しかしてこんな励まされ方をするようでは一人前には程遠いのである。


春のワルツ』(主演:ソ・ドヨン)(NHK総合)

初回(途中)で断然視聴終了


花嫁とパパ』(主演:石原さとみ)(フジ系)

私には全く縁遠い世界の物語。さて、見るに耐えるだけの出来になっているやらいないやら。

見続けるつもりではいる。


セクシーボイスアンドロボ』(主演:松山ケンイチ)(日テレ系)

第二回途中で視聴終了


夫婦道』(主演:武田鉄矢)(TBS系)

さて、どうなることやら。武田鉄矢のえぐさにどこまでついていけるか。

殆ど期待はしていない。


孤独の賭け〜愛しき人よ』(主演:伊藤英明)(TBS系)

初回(途中)で断然視聴終了堂々の第一号


わたしたちの教科書』(主演:菅野美穂)(フジ系)

見る気になれなかった。言い方を変えると、無視。


特急田中3号』(主演:田中聖)(TBS系)

田中聖演ずるがごとき人物が身近にいないことを感謝するほかはないが、このドラマ、今期ではぶっちぎりの一等である。全体的に出来の悪さばかりの目立つ今期でありはしたが、展開は在り来たりもおざなりも逃れていた。まずます面白かったという高い評価を与えたい。

この手の御仁と近づきになるのは真っ平ごめんこうむりたいと心から思いはするが、 思わぬ拾い物だった。


冗談じゃない!』(主演:織田裕二)(TBS系)

大竹しのぶなくて成立しないドラマ。大竹しのぶ、いいねぇ、上野樹里、可愛いねぇ、織田裕二、どうでもいい。 実質、大竹しの主演だな。織田裕二の影薄く、それ以上に、その演技力の至らなさが露出している。この種の軽喜劇に挑戦した勇気は買うが、どれほどの危険と隣り合わせであるのか承知していたのかどうか。

辞書を覗いていてたまたま出くわした語"la beauté du diable"(「悪魔の美」―逐語訳)という言葉の存在する所以に得心する思いである。「平凡なつくりの若い女のかもし出す美しさ」、男を虜にする美しさ愛らしさである。


プロポーズ大作戦』(主演:山下智久)(フジ系)

初回(途中)で視聴終了第二号


バンビ〜ノ!』(主演:松本潤)(日テレ系)

初回は拡大版らしく、六十分以上続いたが、15分で収まるところだ。

相当部分を早送りしながら最終回まで見終えた。

内田由紀、大人の女の美しさ全開。……の今回は軽演、ウインクの似合う男優など、そうそういるものではない。


ホテリアー』(主演:上戸彩)(テレ朝系)

初回(途中)で視聴終了第三号。 


よろずや平四郎活人剣』(主演:中村俊介)(テレ東系)

中村俊介の主役には釈然としないものがあるが、私も時代劇は好きだからなぁ。

工夫の余地の感じられた物語の展開であった。毎回簡潔の小さな筋立てと全体を貫く大きな筋立ての二本立て、こう書けば他でも使っていそうな展開だが、早々簡単に実現できる展開ではない。大きな破綻鳴く最終回に至ったことは喜ばしい限りである。


生徒諸君』(主演:内山理名)(テレ朝系)

わたしたちの教科書』と同じく、無視。


その男、副署長』(主演:船越英一郎)(テレ朝系)

第二回途中で視聴終了


八州廻り桑山十兵衛』(主演:北大路欣也)(テレ朝系)

この時間枠の時代劇、見るに耐えるつくりになっている(但しあの『新・桃太郎侍(注3)を除く)。


シリーズものについては特に思うところあるものだけに触れる。

柳生十兵衛七番勝負〜最後の闘い』(主演:村上弘明)(NHK総合)。 ( 『TVドラマ寸評』その五参照)。に続く第三シリーズ。画面の暗さだけはごめんこうむりたいと思うが、さて、どうなっていることやら。

鬼嫁日記いい湯だな』(主演:観月ありさ)(フジ系)

前シリーズは初回で視聴放棄した。今回も初回途中で視聴放棄。甘ったれ、説教、わがまま女――私の好みではない。

喰いタン2』(主演:東山紀之)(日テレ系)

どうでもいいドラマ候補の一つ。

警視庁捜査一課9係』(主演:渡瀬恒彦)(テレ朝系)

稀有とも言い得る現象が生じている。脚本家は感じているであろうし、監督をはじめとして斯く出演者も感じているであろう。稀有なことであるが、ドラマの登場人物の一人一人が自立的に動き出している。その個性が、その個人生活とともに、鮮明に絡み合い、


(記 2006年4月)


(注1)
出雲の阿国』( 『TVドラマ寸評』その四の(1)参照)では踊りを勉強させてもらい、『病院のチカラ〜星空ホスピタル』では先輩俳優諸氏に演技を鍛えてもらっている。菊川怜はNHKドラマ制作関係者に感謝せねばなるまい。

(注2)
ギャルサー』(日テレ系、2006年4月〜6月)(主演の藤木直人は北島進之助役)

本木雅弘については 『TVドラマ寸評』その三の(1)(2005年10月〜12月のドラマ)の『今夜ひとりのベッドで』評参照。

(注3)
『TVドラマ寸評』その六の(1)及び『TVドラマ寸評』その六の(2)の『『新・桃太郎侍』評参照。 ギャルサー』(日テレ系、2006年4月〜6月)(主演の藤木直人は北島進之助役)

本木雅弘については 『TVドラマ寸評』その三の(1)(2005年10月〜12月のドラマ)の『今夜ひとりのベッドで』評参照。


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