『TVドラマ寸評』 (野島明) 
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2008年新春特別ドラマ評 『徳川風雲録 八代将軍吉宗』、その他

『(新春ワイド時代劇)徳川風雲録 八代将軍吉宗』(主演:中村雅俊、テレビ東京、一月二日)

テレビ俳優という仕事の華やかさの影にある慄然とさせられるほどのその惨めさを見せつけられるのは決して嬉しいことではない。昨年、『マグロ』(注1)に主演した渡哲也に感じたことを、今年は中村雅俊に感ずることになった。3時間くらい(!)見たところで呆れ果て、視聴放棄した。いや、させられた。

昨年の『(新春ワイド時代劇)忠臣蔵、瑤泉院の陰謀』の出来がまずまずであった(注1)がゆえに、多少期待したが、完全な期待はずれ。過去最低と評してよいほどのお粗末さ加減であった。

昨年末、主演俳優たる渡哲也はテレ朝のあちこちの番組に顔を出し必死の番組宣伝をしていたが、あの程度の出来のドラマに果たしていかほど満足していたのやら。出来のお粗末に気付かないとしたら、あるいは、気付いていながらもそんなドラマを必死に売り込まねばならぬとしたら、いずれにせよ、惨めなことだ。


『雪之丞変化』(主演:滝沢秀明、NHK総合、一月三日)

滝沢秀明の贔屓筋であればともかく、面白いものを見たいという視聴者を満足させる出来ではなかった。相手役の戸田恵梨香ともども、頑張ってはいたが、いまだし、と評するほかはない演技を見せられた。

が、女優の戸田恵梨香はともかく、滝沢秀明には十分な時間を与えられている。二十年ほど後に、見るものをうならせる演技を見せてもらえればそれでよかろう。いかな運命の巡りあわせか、男の俳優には時間が与えられているのである。


『のだめカンタービレ in ヨーロッパ」(主演:上野樹里、フジ系、一月四日、五日)

楽しく見たのだが、第二回の最後の三十分ほどを録画の不手際で見逃してしまった。


『(正月ドラマスペシャル)ファイブ』(主演:岸谷五朗、NHK総合、一月五日)

何かの作業をしながら見ていたのだが、どうでもいいテレビ劇であったな。


『(開局50周年ドラマススペシャル)鹿鳴館』(主演:田村正和、テレ朝系、一月五日)

録画はしてあったものの、とうとう見ず仕舞いであった。


『(新春ドラマスペシャル)あんみつ姫』(主演:井上真央、フジ系、一月六日)

全編バカ殿様風の能天気おちゃらけ劇にすればもっと見ごたえがあったんだがなあ。惜しい。


『(開局50周年ドラマススペシャル)天と地と』(主演:松岡昌宏、テレ朝系、一月六日)

この手の壮大な物語を百二十分かそこらで纏め上げるにはよほどの力量が脚本家にも演出家にも制作者にも求められる。そんな力量はそこらにごろごろ転がっているわけではない。

分を弁えるのは難しいか。


以下、シリーズものの「スペシャル」。

『相棒VI元日スペシャル、「カシオペア殺人事件!」』(主演:水谷豊、テレ朝系、一月一日)

期待を裏切らない出来。昨年、「『相棒』は元旦の「ゴールデン」を占めるほどの地位に上り詰めたということになる」と記した(2007年新春ドラマ評 『マグロ』、その他参照)が、今年は、『相棒』は劇場版が制作されるほどの地位に上り詰めた、と書くことになった。慶祝の極みである。


(記 2008年3月)


(注1)
2007年新春ドラマ評 『マグロ』、その他参照。



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