(続)折々のコラム(野島明)
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とうとうニューヨーク・タイムズも 

   ウエッブ上で主として英米の新聞・雑誌に目を通すようになった頃、 Wallstreet Journal を除けば、殆どすべての新聞・雑誌サイトは、登録の必要さえなしに、無料で読めた。(極めて)アブナイ画像もさほどの危険なしにふんだんに入手できた頃でもある。かといって大して無法な時代でなかったことは今になって分かることでもある。ウエッブの世界は今や、その頃と比較しようもないほど危険だらけの「無法地帯」へと発展進化を遂げている。

   カンマを伴う分詞句について執筆のための資料収集(『現代英語力標準用例集』参照)に励んでいた頃も、無料で記事を蒐集保存できた (注1) 。資力の乏しい(「貧乏」の婉曲表現)私はどんなに助けられたことか。

   やがて、無料ではあるものの、登録を必要とするサイト(Washington Post, The Daily Telegraph, The New York Times 等)が次第に増え、ついには記事全体(もしくは一部)を有料とするサイト(Salon.com, The Financial Times, The Independent 等)も出現するようになった。有料になったサイトに私は殆ど近づかなくなった。

   そしてとうとう九月十九日を期して、(ラッシュ・リンボー[Rush Limbaugh]ら保守派の一部には蛇蠍のごとく嫌われている主流報道媒体[mainstream media]の雄たる) The New York Times ON THE WEB の記事の一部が有料となった。年間購読料$49.95 (注2)(月間購読料 $7.95)を支払って TimesSelect の会員にならないと、 Op-Ed欄の論説を初めとする一部の記事からは締め出しを喰らうことになった (注3)

   The New York Times紙の宅配購読者[Home Delivery subscribers]は無料で TimesSelect の会員になれるという触れ込みだが、日本に暮らしていては The New York Times紙を(大金を支払えば可能ではあろうが大金を支払うことはできないから)毎日宅配してもらうわけにはいかず、ゴミとなる紙の量の膨大を想像したら、毎日宅配してもらおうという気にもならない。

   TimesSelect の会員には特典もあって、その最たるものは記事収蔵庫[The Archive]から月間百件を限度として無料で記事を入手できるというものである。無視できないほど魅力的な特典である。記事収蔵庫中の記事を購入するには(現在)一件当たり$3.95必要で、この料金も、その都度クレジットカードで支払いをするという煩わしさも相当の負担だからだ。

   さて、私はどうしたか。

記 〇五年九月二十日(火)

(注1)
現在、一部サイトのウエッブ頁では「保存」についても困難が生じている。その原因を推測できはするものの、技術的諸問題に全く疎い私には、どんなウエッブ頁も円滑に「保存」するための方策は思いつかない。

(注2)
九月十九日までに購読申し込みをすると初年度の購読料は$39.95に割引、と広告にはあった。

(注3)
「ウラワザ」を使える人はその限りではないのだろうが。

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