予備校講師の閑談
英語講師・横井順

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「ジショウギ」?

    NHK杯将棋トーナメント3回戦・第八局、神吉宏充六段対鈴木大介六段の対局(ETV)、いつもと様子が違った。勝負がつくにはまだ間があると思われる局面で、突然、

     この将棋は183手までで「ジショウギ」となりました

司会の藤森奈津子女流二段の声が流れた。

その後のテレビ画面では、一手30秒以内という規則ゆえの秒読みの声も飛ばされ、手順だけが次々と繰りひろげられ、最終183手目に至った。183手目の局面は神吉六段はほぼ穴熊、鈴木六段は入玉直前。解説の安部隆七段によれば、ジショウギには少し早いが妥当、ということであった。

「ジショウギ」の場合、手番を先後入れ替えての指し直し、という約定らしい。

    「ジショウギ」は「持将棋」である、という「ユリイカ!」に至ったきっかけは、棋譜の読み上げ係り古川彩子女流初段、もしくは司会の藤森女流二段のいずれかが「モチショウギ」と言う声を確かに耳にしたからだった。

じしょうぎ:将棋で、双方が入玉(ニユウギヨク)し、お互いに規定の持駒数に達している場合をいい、引分けとなる。もちしょうぎ。(広辞苑)
    双方の入玉は持将棋に不可欠の要件ではないようだ。

    母語の場合、「ジショウギ」というたった一語で異空間の闇が生じさえするのである。


記 2000年2月15日
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